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日本の水産物“禁輸”も…中国で奮闘する和食店「日本料理は中国で生き残れる」 鮮魚入手ルートを自力開拓|TBS NEWS DIG

福島第一原発の処理水放出から1年。日本の水産物を輸入禁止した中国では、ブームだった和食に“異変”が起きているようです。

おととい開店した「スシロー」の北京1号店。初日から12時間待ちの大行列ができました。

福島第一原発の処理水の放出以降、中国の日本料理店に逆風が吹いてきましたが、割安に日本の味を楽しめる回転寿司の人気は高まりつつあります。

ただ、日本産水産物の輸入が停止され、ネタの多くは「中国産」に頼っています。

上海市内の日本料理店「布良瀬」。続々と水槽に入れられていく鮮魚は遼寧省・大連市から届いたばかりです。この日の目玉は「天然アワビ」「カワハギの姿造り」です。すべて中国産だといいます。

記者
「匂いとかクセが全然無い。日本の魚を食べているのと変わらないです」

品質や衛生面の問題から中国の水産物は敬遠されてきましたが、店主の伊藤さんは16年前から中国全土の漁港を300回以上訪問。良質な水産物が手に入るルートを自力で開拓したといいます。

日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「普通の流通よりも根っこにいるんで、漁船に近いところにいるんで、そこから直接仕入れるものが多い」

一方で、金曜の夜ですが、空席が目立ちます。

関係者によると、上海で日本料理店は去年だけでおよそ500店が閉店。今年も500店が閉店の危機にあるとされる中、伊藤さんを頼る同業者も。どうやって良質な魚を入手する人脈を築くか聞かれると…

日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「会ったら飯食いにいこうと」
日本料理店経営 谷口義忠さん
「いきなり言うの?」
日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「言うんだよ、来るから」

先週、中国でも有数の漁港、浙江省・舟山市に伊藤さんの姿がありました。大手寿司チェーンの責任者らも、伊藤さんを頼って同行しています。

舟山市の水揚げ量は年間およそ160万トンと日本のおよそ半分に相当します。今回のお目当ては…

日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「ノドグロ、でかいよ、これ」

高級魚「ノドグロ」。市場でお眼鏡にかなうものは見つかりませんでしたが、漁船が港に戻ったと聞きつけ、獲れたてを品定めします。

『がってん寿司』 奈良原広典さん
「おもしろいよね、なかなか見られないですから」

一方、伊藤さんは…

日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「いまのところ、僕は目がいかない」

訪問時は必ず、宴席を設けるといいます。これも良質の魚を確実に入手するため。

その成果でしょうか。翌日、取引先からお目当ての「ノドグロ」が。

日本料理店「布良瀬」を経営 伊藤敬史さん
「もっともっと探す、もっといい流通を作る。日本料理は中国で生き残れると思うので。素材を追求するというのが、僕の仕事だと思う」

禁輸解除の見通しが立たない中、「和食」は中国の魚で生き残るのでしょうか。

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