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【解説】日本"観光世界1位" 交通インフラなど評価 課題は"デジタル化"の遅れ?『知りたいッ!』

いよいよ、6月から外国人観光客の受け入れが再開されようとする中、「世界経済フォーラム」が発表した「観光の魅力度ランキング」で日本が世界1位になったことがわかりました。

「日本の何が世界一?」
「意外な低評価は?」
「観光復活への課題は?」

以上の3つのポイントについて詳しく解説します。

■「観光魅力度」日本が世界一に! 2007年の調査開始以来「初」
25日、外国人観光客の受け入れ再開に向けた「観光実証事業」、つまり“お試しツアー”の第一陣として、アメリカから来た旅行会社の関係者らが岩手・平泉を観光しました。アメリカ、オーストラリア、タイ、シンガポールから約50人が参加しました。

この実証事業で、政府は、感染防止策などを検証し、6月にも始まる外国人観光客の受け入れ再開に向けて、ガイドラインをまとめる方針です。

こうした中、「観光の魅力度ランキング」で「日本が世界1位になった」と伝えられました。世界の政治経済のリーダーたちが会する「ダボス会議」の主催団体「世界経済フォーラム」が出しているもので、観光地としてどれだけ魅力的か、各国の競争力を比較してランキングにしています。

世界117の国や地域から、2位のアメリカ、3位のスペインや4位のフランスなど並み居る強豪をおさえて、日本が堂々の1位に輝きました。報告書の表紙は、富士山が背景にあるなど日本らしいイメージになっています。このランキングで日本が1位になったのは、2007年の調査開始以来、初めてのことです。

■何を評価? 「15歳から24歳のニート率」も…
どのようなところが評価されたのか、日本が上位を取った項目に注目します。

例えば、「鉄道サービスの利便性」、「公共交通機関の利便性」の両項目で1位になっています。このように「交通インフラの充実」ということが高く評価されています。

次のように「文化資源」も、ランキング上位にあります。

大規模なスタジアムの数 (3位)
世界文化遺産の数    (9位)
伝統芸能など無形文化  (4位)

さらに、次のような項目もあり、社会経済が安定し治安がいいところも、日本の魅力の1つとして挙げられています。

殺人の発生率の低さ    (2位)
15歳から24歳のニート率 (世界最少)
■「ビザの要件」など…“低評価”の項目も
一方で、意外と低評価だった項目もあります。

「気候変動への対応」は107位で、「脱炭素には後ろ向き」だと見られています。

さらに「ビザの要件」は104位でした。観光だけではないかもしれませんが、誰にでもオープンな国か、どうかという点では、疑問符がつくようです。

■「観光立国」復活へ 日本の観光の強みは…専門家に聞く
政府は、25日時点で「原則入国禁止」にしている外国人観光客の入国について、「ワクチン3回接種」などを条件に来月にも再開する見通しです。

一方で、新型コロナウイルス感染拡大前までは、右肩上がりで約3200万人に達していた訪日外国人の数が、2021年にはわずか約25万人まで激減してしまっています。日本が「観光立国」として復活するために何が必要なのか、地域の観光開発を支援する「観光ビジネス総研」の刀根浩志代表に話を聞きました。

日本の観光の強みの1つは、「安全で清潔」、「食事がおいしい」といったことなどに加えて、日本人の「精神性」や「価値観」が海外の人からリスペクトされている点だということです。例えば、「金継ぎ」など古くて良いものは再生させて長く使うといった文化や、伝統工芸においても、そぎ落とした美しさなど「日本人独特の気質に触れたい」という要望は多いといいます。

また、最近は円安が急激に進んだことで、海外の人から見ると相対的に物価が安くなり、その分、コストパフォーマンスや満足度がとても高くなっているということです。

こういった部分をさらにアピールしていくことが必要だといいます。
■「デジタル化」、「現金主義」…課題も
一方で、日本の観光における最大の課題の1つが「デジタル化の遅れ」です。

例えば、交通、ホテル、アクティビティー、食事などの予約システムがバラバラで、別々に手配しなければならないことが多いです。これを到着から帰国までワンストップサービスで、できるようにすることなどが求められているといいます。

さらに、「現金主義」もあります。日本は、諸外国と比べると、クレジットカードや電子決済システムが利用できない店が、まだまだ多いということです。

観光ビジネス総研・刀根代表によると、面倒な手間を省いて、利便性を上げていくことも求められているといいます。

    ◇

新型コロナの感染拡大以前から、海外の旅行客にとって日本は人気の観光地でしたが、最近は、大都市や有名観光地だけでなく、地方を訪ねてその土地の文化や伝統、自然を満喫する旅がしたいという要望も増えているそうです。こうした魅力をさらに高めて、コロナ後の観光業が活気を取り戻すことを期待したいと思います。
(2022年5月25日放送「news every.」より)

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2022/05/31コミュニティ投稿

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